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【応募総数77編】第1回「高校生劇評グランプリ」入賞作品が発表

14.04/01

高校生による舞台芸術公演の劇評(レビュー)を募集した「高校生劇評グランプリ」の第1回グランプリが発表された。最優秀賞にはNODA・MAP公演「MIWA」の劇評を書いた早稲田実業学校高等部 1年生の石本秀一さんの劇評「MIWA―愛の伝道師その人生とは」が選ばれた。

第1回グランプリは、応募総数77編。第一次選考を通過したのは18編で、その中から最優秀賞1名、優秀賞10名(3年生3名、2年生5名、1年生2名)が選ばれた。また観劇と劇評投稿推奨の取り組みに対して、団体賞が工学院大学付属高等学校に贈られた。

選考委員の扇田昭彦氏(演劇評論家)は、最優秀賞にむけて「筆者の分析力と批評性が感じられるいい劇評だった。公演を見ていない人にも舞台の様子が分かるように書かれていて、野田秀樹の演出と俳優たちの演技の魅力にもきちんと具体的に触れている。筆者自身の感動と若々しい知性が感じられる評だった」と講評。同じく選考委員の高野しのぶ氏(現代演劇ウォッチャー、しのぶの演劇レビュー主宰)は「知的好奇心を存分に働かせて、舞台を観て感じたことを自分の言葉で書き留めれば、作品を心身のより深いところにとどめ置くことができます。そして作品の作り手と他の観客、さらには作品を観ていない人とも感動を共有することができるのです」と述べている。

なお入賞した11編の対象公演は「MIWA(2名)」「マクベス Macbeth(2名)」「フランケンシュタイン」「バカロックオペラバカ 『高校中パニック! 小激突!!』」「珈琲法要」「木の上の軍隊」「ピグマリオン」「レ・ミゼラブル」と、中〜大劇場で行われたストレートプレイ評が多く、小劇場での作品はアトリエ春風舎で公演された「珈琲法要」のみ。この点について選考委員の田中綾乃氏(三重大学准教授、演劇評論家)は「今後、小劇場の公演や首都圏以外の公演を対象にする評が出てくるためにも、多分野での舞台公演の充実や学生割引の導入等が求められる」と語り、また萩尾瞳氏(演劇・映画評論家)は「ミュージカル評は1本だけというのが、個人的にはとても残念だ。応募作のほぼ半分がミュージカル評だったことを思えば、なんとも低い“打率”」と触れている。

観劇に際しては、同企画への高校生の投稿参加を促し、また高校生の観劇機会増大の一助として劇場・製作会社の協力により高校生向けの特別割引チケット「高校生応援チケット」(1,000円〜2,000円)が実施され、対象演目の上演期間中に延べ351名の高校生がこの制度を利用して観劇した。

なお、3月2日に行われた授賞式では、野田秀樹氏・堀尾幸男氏も駆けつけ、受賞者とのトークや高校生からの積極的な質問に答える対話の時間もあったという。

同コンクールの入賞作品は下記公式サイトで近日公開予定。

◎関連サイト◎
第一回グランプリ結果発表|高校生劇評グランプリ
【高校生が書き手となる新しい劇評コンクール】第一回「高校生劇評グランプリ」開催1/15締切


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